英国王のスピーチ 感想・ネタバレ

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■あらすじ

吃音症で人前で話すのが大の苦手なイギリス国王ジョージ6世が、

言語障害の専門家、でもどこか胡散臭い、ライオネル・ローグと出会い、

身分違いなでこぼこコンビが、しょっちゅうケンカしながら、

二人三脚で成長し、ジョージが国王として立派に

スピーチできるようになるまでを描いたストーリーです。

 

 

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不安そうにスピーチするジョージ

 

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■見どころは?

片や国王、片や無免許の医師、

そんな身分違いな2人が、互いの立場を超えて

ともに困難を乗り越え、友情を深めていくところが

筆者としては見どころだったなと思います。

 

 

感想

 

ストーリーそのものはシンプルでした。

言ってしまえば、ありがちなストーリーです。

 

でも、面白かった。

 

シンプルな料理でも、

作り手次第でいくらでも

美味しくなるのと同様に、

この映画も丁寧に美味しく仕上がってしました。

 

さっき、「身分違いな2人」と言いましたが、

2人には共通点があります。

 

それが、

「2人ともやりたくてその仕事を始めたわけではない」

ということです。

 

ジョージは、兄のエドワード8世が退位したことで、

やりたくなかったのに王冠が降ってくる形で玉座につきました。

 

そして言語障害の専門医であるライオネルも

本当は役者をやりたかったのに、

周囲の人間に求められる形で、

言語障害で悩む人々を治療する道を歩みはじめたのです。

 

そしてこの2人のことをさらに言うと、

 

(王として)権威はあるけど話し下手なジョージ

 

(医者として)権威はないけど話し上手なライオネル

 

と見ることもできます。

(ライオネルは無資格で治療していますからね)

 

でこぼこコンビと表現したのは、

そういうところも含めて、ということです。

 

人は誰しも不完全な存在で、

そして自分と同じ人はこの世にはいません。

 

だから、だれもがジョージやライオネルみたいに、

デコボコしているわけです。

 

そんなデコボコを補い合うように

人は支え合って生きているわけですね。

 

 

しかも人間の素晴らしいところは、

単に支え合うだけでなく、

シナジー(相乗効果)を生み出せるところです。

 

つまり、

1+1が2になるんじゃなくて、

1+1を10にも100にもできる

というところです。

 

ジョージとライオネルは

それに気づかせてくれる

そんな感じがしました。

 

ジョージ自身、物語の中で、

吃音克服のために

それまで何人もの専門家の治療を試してみた

と示唆する描写があります。

 

でも、どれもうまく行かなった。

 

そんな中で出会ったのがライオネルでした。

 

日本的な表現をするなら、

2人は「ご縁」があったのです。

 

そのご縁があった2人だから、

吃音を乗り越えられたし、

国民の心を打つスピーチをすることができたのだと思います。

 

 

また、ライオネルは過去の患者のことで、

こう言っていました。

 

「わたしの役目は、彼らに自信を与え、
 耳を傾ける友がいると教えることだった」と。
 
映画の最後、スピーチを終えたジョージの
自信に満ち溢れた表情がとても印象的でした。
 
 
とりとめのない感想ですが、以上です。
 
 

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劇中最後のスピーチを終えたジョージ

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ジョージを見守るライオネル





 

追伸

個人的に名言だと思ったのが、ライオネルの

「開いた窓から母音で叫べる人間は絶対にスピーチできる」
でした。(笑)
 

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母音で叫ぶ人々